☆ LAND OF THE DEAD: ROAD TO FIDDLER'S GREEN ☆
                                                                               05/10/16


製作/販売 Brainbox Games / Groove Games       公式サイト
デモ仕様 130MB  シングルプレイ用マップを1個収録
概要  ゾンビ映画の元祖として知られるGeorge A Romeroの最新作である同名映画"Land of the Dead (2005)"を題材にしたゲーム。製作の経緯は少々変っており、ゾンビ物のアクションゲームを先に製作していたBrainbox社が、映画会社の方にこれを使ってLOTDのゲームを作ってはどうかと売り込んで成立したという話。
 北米では映画のDVD発売に合わせて10/18にリリースされる事になっている。PC版は$19.99というバリュー価格となり、Brainbox社自体も社員が8人という小さな会社であって低予算にて製作されているゲームとなる。

 ゲームの時代設定は映画の前となっており、オリジナルの映画が始まる前の時点までを描いている。詳細は当サイトのUpcoming Gamesの方を参照してもらいたい。
動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium III/1 GHz Pentium III/1.2 GHz
MEMORY 256 MB 512 MB
VIDEO VRAM 64 MB DirectX 9.0対応 VRAM 128MB Hardware T&L対応
SOUND 16-bit DirectX 9.0 compatible 同左
対応OS  98/ME/2000/XP
DirectX 9.0以上要


 2002年発売のUT2003時代のUnrealエンジンを使用しており、これは会社が同じカナダのDigital Extremes社のPariahの製作を手伝ったりと同エンジンに慣れているという点から。古いバージョンを使用しているのは、普段はFPSをやらない映画のファンに売るとなると、相当に下のクラスのPCまでカバーした方が良いという考えからと思われる。

 当時のUnrealエンジン自体が相当に低いレベルのPCもカバーしていた事から、最近ではあまり見ない程度に動作環境は低く、Hardware T&L対応などという言葉も久し振りに見た気がする(しかも必須では無くて推奨)。VRAM 64MBでShader機能を要求される訳でもないので、最近の物ならオンボード系のメーカー製PCでも動く可能性は高い。音の方もHardwar 3Dは選択出来ないようだ。

 動作には特に問題は見られなかった。
GRAPHIC  動作環境が低い分、現在の一般的なFPSゲームと比較するとかなり見劣りがする。設定を最高にしても特に見るべき点は見当たらない。ゾンビのモデルはまあまあとしても、Textureには同じ物の使い回しが多く且つクオリティも高くない。この辺は値段が値段だけに仕方が無いか。

 残念なのは死体や血痕が割りと早く消えてしまう点。これもまた低いクオリティのPCを考慮してのデザインと思うのだが、オプションでDecalの残る時間を設定可能にしてもらいたかった。それとGoreとBloodはもっと派手目を希望。
GAMEPLAY  製品版では難易度設定が出来るそうだが、このデモでは不可のようで難易度が何なのかは分からない。ゲーム性としては爽快感よりも恐怖感を重視したデザインであり、移動速度もあまり速く無いという風に不自由さを特徴としている。

*打撃系武器は同時に1個しか持てない
*リロード速度は遅めで、弾が無くなっても自動的に他の武器には切り替わらない
*弾を含めたアイテムはカーソルを合わせて一々USEにて取る必要がある
*攻撃を受けると一時的に動作が止まり、またしゃがんでしまったりする
*FOVが普通のFPSに比べると狭く、周囲の状況が掴みにくい
*短時間だがスプリント可能

 打撃系武器は多彩であり、それぞれに利点や欠点が存在している。なお2ndで薙ぎ倒す攻撃が可能で、これで倒れている間に逃げる時間を稼ぐ事も出来るようになっている。数多い武器の中ではショットガンが強力だが、敵によっては効果が薄い物もいるという風にされている。戦闘にて厄介な点は一度打撃を受けてしまうと動けなくなるのでそのまま連続して食らってしまう危険性が高い点で、周囲を囲まれるとかなり危ない。

 ゾンビは基本的にはゆっくりと迫ってくるのだが、中には突然速度を上げて来るタイプもいるのには驚かされる。特に毒液を吐いて来る奴は浴びてしまうと相当に厄介である。製品版ではもう少し別のタイプの物も存在するようだ。モデルの数はそこそこ多く、これを全編に渡って使い回すとなると問題だが、デモに限れば合格点を与えられる。

 Karma物理エンジンを採用しており、敵が吹き飛ぶシーンにはRagdollによる演出が加わっているのは効果的。しかし物理エンジンの計算精度は、これもまた性能を考えてなのかUT2003ほどには高くない(よく周囲と重なってしまう)。またアニメーションも合わせて使用しており、倒れた敵が起き上がってきたりもする。それと頭を撃って殺すのが基本なのだが撃てば手足も吹き飛ぶようになっていて、例えば足を失ったゾンビは手だけで這ってこちらに向かって来る。特に怖いのが手と足を片方ずつ失ったゾンビが、前進する事も出来ずに狂ったようにもがいて攻撃しようとするケース。

 最初のシーンでは武器がどこに有るのかが分かるまでは難しいが、その後多彩な武器が手に入ってくるとそれ程難しいという感じではなくなる。弾は確かに少な目だが極端という程ではないし、ヘルスパックもそこそこは用意されている。このデモのマップがどの程度の難易度に位置するのかは不明だが、もうちょっと緊張感を煽るような難しさでも良いだろう。
 具体的には遠距離から攻撃可能な武器の弾数を減らしてやり、接近戦で戦って節約しないとならないという風にするとか。大抵のゾンビは遅い為に、遠距離から攻撃出来るならばあまり怖さを感じなくなってしまう。或いはもっと同時出現数を多くして、それも周囲から囲むように出て来させるという方法もある。

感  想  マルチプレイに関して少々。まずはDeath Match, Team Death Match, CTFをサポートしている。ただしこれはどれもゾンビ付きというデザインという点が普通のゲームと異なる。共通の敵としてゾンビが徘徊しているという意味。
 他にInvasionと呼ばれるモードが有り気になっていたのだが、これについてはやや詳しい情報も手に入って来ている。まずこのゲームはシングルプレイをCoop可能ではないのだが、それに代わるモードとして用意された物になる。専用のマップを使ってプレイするプレイヤーVSゾンビというスタイルで、延々と襲って来るゾンビの群れ相手に戦うというモード。特徴はプレイヤー側のリソース(武器・弾薬・ヘルス等)が非常に少ないという点で、勝つ為には皆で協力し合って上手く分け合わないとならない。PC版での最大人数や勝利条件・死亡時の扱い等は現状不明である。

 グラフィック面では仕方が無いとして、ゲームプレイ面に恐怖感がもっと欲しい所では有るが、これは製品版を見てみないと何とも言えない。対ゾンビ系となるとTPSスタイルが一般的であり、ゾンビに的を絞ったFPSというのは有りそうで無かったスタイルなので(Modには有るが)、そういう意味では新鮮でもある。

 グラフィック等に不満は残るが、この価格でこのレベルならば上出来だろう。マルチプレイのInvasionにも興味があるし、これは購入すると思う。


 購入確率 90%  (*^▽^*)

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